ちまたに雨のふるごとく / ドビュッシー作曲
突然のウクライナとロシアの戦争になり、家にいると夫はリビングでずっとテレビを見ているため、私は二階の部屋でフランス語の詩を読むことにした
戦争のテレビのニュースは悲惨なので、見るのは夜だけにしている
さあ、フランス文学の世界に突入
何気ない日々の暮らしに感謝
フランス語に感謝
音楽に感謝
1873年7月、ベルギーの首都ブリュッセルの街の路上でヴェルレーヌは、ランボー(あの天才詩人)に拳銃2発を発射して手首を負傷させ逮捕される
ランボーは入院
ヴェルレーヌは2年間の禁固刑に処せられる
この獄中生活で整理編集した詩を
1874年3月友人の尽力で出版したのが第四の詩集『無言の恋歌』
「ちまたに雨のふるごとく」もこの詩集に掲載されている
ヴェルレーヌは妻子を見捨てて
1872年(28歳)から1873年にかけて、10歳年下のランボーとブリュッセルやロンドンで同棲・周遊していた
ランボーとは同性愛であった
なんとこの時代から
1874年4月、妻マチルドから出されていた離婚の訴えが裁判所で認められる
出獄は1875年1月、18か月の服役で出獄
出獄後、まもなく妻に和解を求めているが拒否される
また、シュットガルトに居たランボーを訪れ信仰を勧め
たが、ランボーと喧嘩格闘して気絶させられ放置されている
同年12月、最後の手紙を書きランボーと別離している。
ちまたに雨のふるごとく
ポール ヴェルレーヌ
Il pleure dans mon coeur
Il pleure dans mon coeur
Comme il pleut sur la ville;
Quelle est cette langueur
Qui pénètre mon cœur?
O bruit doux de la pluie
Par terre et sur les toits!
Pour un coeur qui s'ennuie,
O le chant de la pluie!
Il pleure sans raison
Dans ce coeur qui s'écoeure.
Quoi! nulle trahison?...
Ce deuil est sans raison.
C'est bien la pire peine
De ne savoir pourquoi,
Sans amour et sans haine,
Mon coeur a tant de peine!
小國裕美 訳
私の心に雨がふる
街にふる雨のように
私の心をさす
このやるせなさはなんだろう
おお 雨のやさしい音
地面にそして屋根に
退屈なこの心のために
おお 雨の歌
訳もなく雨がふる
うんざりした心に
なんと 裏切りでもなく
訳もないこの悲しみ
その理由がわからないのは
一番苦しいのだ
愛も憎しみもなく
私の心は苦しみに満ちる
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